原始の人々
原始時代、石器時代の人の寿命はおそらく30歳程度だろうとされていますが、この当時の人々にとって、金とはどのような存在だったのでしょうか?
もちろん、「ゴールド」などほとんど目にもしていないと思いますが、仮にそれを目にしていたとして、彼らにとってどのような価値のものになっていたでしょうか?
おそらく、あまり重要視されなかったと思います。
加工技術もないし、何にも使えないものと認識されていたはずです。
加工されて美しくならなければ、ただチカチカと濁って光る物質だったはずです。
つまり、この当時においてゴールドはほぼ無価値だったと考えられます。
ゴールドの価値の源泉となった「美しい」という姿さえ、見ることがなかったためです。
石器時代においては、食料の安定確保の維持という観点から、石や骨で作ったナイフや釣り針などが、非常に価値を持っていたと思われます。
つまり、ゴールドの価値というのは、我々人間の側が決めているだけであって、我々にとって常に同一の価値があるかと言ったら、それはもちろんそのようなことはなく、ゴールドの価値は金本位制の崩壊でも明らかなように、普遍的なものではないのです。
石器時代の人々は、おそらく食料の維持というところが、人生の願望の中心だったはずです。
このような生命を維持するための願望が、ある程度実現され安定的な生活が手に入らないと、ゴールドへの願望が生じることが無いのは当然のことでしょう。
彼らにとって、大自然に囲まれた日常こそ、非常に美しきものだったのではないでしょうか。
周囲の自然を見渡せば、畏怖の念を感じるとともに美しさを感じる。
そういう場所に彼らは存在していたのではないでしょうか。
彼らの原始的な生活を支えていたものは一体何だったのだろうかと考えた場合、それは、彼らの周りの美しい自然界だったのではないだろうかと思うのです。
彼らは、身体全体をそれに包まれて生活していました。
それは愛に包まれた生活であり、単純に寿命では捉えきれない人生の意味がそこには存在していたと考えられます。
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