風評被害には良い面もある理由。新型コロナウイルスから学ぶべきこと。
風評被害には良い面もある理由。新型コロナウイルスから学ぶべきこと。
コロナウイルスで風評被害が発生!
「風評でお客さんが一気にゼロに!!これでは店をたたまなくてはいけない!」
「風評のせいでまともに生活できない!」
「風評で仕事がなくお金がない!どうしたらいいんだ!!」
「ろくに知りもしないくせに勝手な風評をまき散らさないで欲しい!」
このように風評被害はいつでもそれ自体が「悪」のように語られることが多いです。
今回の新型コロナウイルスで風評被害にあっている方々も同じような気持ちになっていることが多いはずです。
ですが、風評被害があるおかけでもっと重大な健康被害の拡大や、さらに大規模な風評被害につながらないことがあります。
風評は社会の自己防衛機能としての役割もあるのです。
よって、この機能がしっかりと維持されていること自体は良いことです。
この件に関連して取り上げますが、今回の新型コロナウイルスの件で厚生労働省のホームページには以下のような質問とそれに対する厚生労働省の回答が提示されています。
問9 感染者が見つかった場所(外国、国内)から送られてくる手紙や輸入食品などの荷物により感染しますか?
>現在のところ、中国やウイルスが見つかったその他の場所から積み出された物品との接触から人が新型コロナウイルスに感染したという報告はありません。WHOも、一般的にコロナウイルスは、手紙や荷物のような物で長時間生き残ることができないとしています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q9
「現在のところ、・・・という報告はありません。WHOも・・・としています。」
感染リスクについての質問に対して、こういう回答になっていますね。
リスクが全くないとは現在は言えない。
そういう回答になっています。
つまり、実際はリスクはあるよ!ってことです。
単純に言えばそういう事になります。
リスクがあるか、ないか、どっちだ?
こうなるとリスクはあります!という話になります。
それに、この厚生労働省の回答だけだと、どの程度心配すべきリスクなのかも分からない。
飛行機が落ちるような確率でうつってしまうのか、ラッシュアワーの電車が遅れるような確率なのか、
そのあたりも全く見えてこない。
他のウイルスとの比較情報もない。
つまり、ウイルスについての詳細がほとんど分かってない!という状況なのでそのあたりにまで踏み込めるはずがない!ということだろうと思います。
こうなると一般の人々はリスク回避に向かわざるを得ないでしょう。
当然、風評が巻き起こり、風評被害が出てくるでしょうが、この反応自体が不健全なはずがないですね。
健全な社会的反応です。この意味で良いことです。
リスクがあるのに、リスクがないことだと判断する方が不健全。
リスクがあるのに何も考えず、何も行動せずに、いつも通り満員電車に乗る人々は不健全だということになります。
この不健全さを国や社会が後押ししているのであるとすれば、それは国や社会が不健全な状態に陥っているということになるだろうと思います。
放射能問題でも同様に不健全さを断固維持した理由
放射能問題でも同様に風評被害が出ました。
今もこの被害は継続しているはずです。
この件についての風評が巻き起こった背景には放射能についての「分からない」部分があったと思います。
それが今もあります。
そんな中で「科学的に」という言葉が胡散臭い印象を持たれてしまったこともあると思います。
つまり「科学的に」という言葉に、不健全さを後押ししている国や社会の力を見た!という感じになってしまったことがあると思います。
こうなると不信感が増大します。
よって、放射能問題の件でも風評被害が今でも消えませんし、消えるはずがない。
それを理解していないためでしょうか。
大阪府では大阪湾に放射能処理水を垂れ流そうとする動きをしていた時期がありました。
このように「科学的に」という言葉をいつでもどこでも信じきってしまった背景には、学歴社会による階層的秩序意識を盲目的に信じ切ってしまったことがあります。
この信心は簡単に出来上がったものではなく、国家としても後押しして出来上がったもので、その結果、断固たる決意に基付く価値観が形成されています。
その価値観を捨て去るようなことが簡単に出来るはずないでしょう。
よって、不健全さを断固維持することになったわけです。
同様に断固、満員電車通勤している人々もそうです。
簡単にその立ち位置に到達したわけじゃない。
だから断固、満員電車通勤を継続しているわけです。
この断固たる決意の合理性について考えるきっかけとして、例えば放射能処理水を大阪府や大阪市の庁舎や関連施設、大阪府内の企業に厄除け用の水として毎日まいてもらえばいいんじゃないでしょうかね。
塩をまく感じでね。
掃除用の水として使ってもらってもいい。
科学的に全く問題ないというのだから、大した問題にならないじゃないですか。
希釈して使ってもいいわけだしね。
身を持って体験しないと、バカらしさに気が付かないというのであれば、そういうことも必要になってくると思います。
風評に対する正当な対処方法
真実の全てを明らかにしていくこと。一部だけ隠したり、誤魔化したりしないこと。
それから、分からないことは分からないと明確にアナウンスすること。
その大前提がない状態で「科学的」を持ってきても、胡散臭い状況になるだけです。
大前提を共有した上で、どのような対処が望ましいか考えていく、整理していく。
いくつもの可能性を網羅していく。
こういった誠実な姿勢すらない時に、風評が増大し風評被害は拡大していくものです。
つまり、風評を拡大させている張本人である政府や官僚が、風評被害は良くない!東北を応援しよう!と言っていたのが先の福島事故の後処理で見られたことでした。
今回のコロナウイルスの件で言えば、厚生労働省のホームページ情報は風評を拡大させようと意図的にしているかのようにすら見えてきます。
問9 感染者が見つかった場所(外国、国内)から送られてくる手紙や輸入食品などの荷物により感染しますか?
>現在のところ、中国やウイルスが見つかったその他の場所から積み出された物品との接触から人が新型コロナウイルスに感染したという報告はありません。WHOも、一般的にコロナウイルスは、手紙や荷物のような物で長時間生き残ることができないとしています。
少なくともこの回答ではダメだと思います。
保身に満ち溢れたこの回答は、今の日本を暗示しているように見えます。
前を向いて腹を割って回答しないといけませんね。このままだと、さらなる風評被害を生んでいくはずです。
一刻も早く、中国からの荷物についての認識を明確にアナウンスすべきですね。
YESかNOか。地域別にもなるかもしれませんが、基本的に完全に区切らなければ風評被害は防げません。